平成22年12月 慧可に受け継がれた達磨の教え
話は、10月の続きとなります。
インドから偉い僧がやってきて、ひたすら坐禅をしているという噂はたちまち広がっていった。それを耳にした神光という修行者は「この人こそ、私の師になって方だ。」と直感した。達磨が面壁坐禅している部屋に行き「入門をお許しください」と声をかけた。
達磨は微動だにしない。
神光はそのまま立ちつくした。日が暮れた。そして雪が降る出した。二人は微動だにしない。数時間たち神光は再び入門を懇願した。
しかし、達磨は動かない。言葉もない。
そこでついに、神光は、懐から刀を取り出すやいなや、自分の左腕をひじから切り落とし、達磨の前に差し出した。
それでは、さすがの、達磨さんもその決意に動かされた。このことが、法(正しい教え)の為には、命を押しまない「不惜身命」といい、それにより、達磨は神光の入門を許した。
神光に、慧可という名前を与えた。その後、慧可は熾烈な修行を耐えることになる。