禅宗 初祖 達磨大師和尚
十月五日(または十一月五日)は達磨忌です。(達磨さんの命日
釈尊から数えて二十八代目の祖師が達磨さんです。禅宗として成立いたしましたのは大師以来で禅宗の初祖としてであります。 その昔、釈尊が靈鷲山で多勢のお弟子を前にして一枝の花を拈じられました。そのお心(意味)がわからず皆ただ黙っておりましたがただ一人、迦葉尊者(やがて釈尊の法を嗣がれて第二世となられた)のみが「にっこり微笑まれた」のです。よろこばれた釈尊は、正法眼蔵、涅槃妙心、実相無相、微妙法門、不立文字、教外別伝の仏教の真理をお伝えになったのです。仏教が栄えること極意を提げて中国の地にも伝えようと苦労伴い旅をもってはるばるこられ、禅心をひろめなさられたのが達磨大師でありました。 禅の「達磨画」をでは、その賛によく「不立文字、教外別伝」、「直指人心、見性成仏」とかが書かれています。釈尊がお悟りになったお心(仏心または仏性)をもって宗旨としているのが私たちの禅宗です。だから一名、「仏心宗」ともいわれるのです。 仏心の当体は文字やことばでは充分に伝えられません。いわゆる以心伝心でなければ明らかにすることができません。しかも私たちの心と仏心とは別のものでないので、直ちに自己の本性(そのまま釈尊や達磨さんの心と同じもの)を悟りにより徹見して自己に得るものでありますから見性成仏といわれるのです。見性の方法はずばり坐禅によるのです。 (白隠和尚の座禅和讃には、念仏、懺悔、日常の修行も座禅と説いている。) 達磨大師はその「心」のことばを伝えるのに一番よい方法が坐禅だと説かれ実践したのです。
また、ダルマさんといえば、お寺やお宮の縁起物(えんぎもの)としてのダルマさんです。ダルマ人形が何度転んでも起き上がるのを縁起としたのです。
人間何ごとも途中(日常生活に自己を見つめる作用)が大切です。達磨さんの縁起を信じ、常に自分を失わずしっかりと自分を見つめながら生きてゆきたいものです。