平成22年4月 禅の原点・シッダールダ・「初転法輪」

12月8日の明星上と共に成道を得たシッダールダは、一瞬にして仏陀となったのだ。この日こそ禅宗の始まりといえるのである。
12月8日は仏教では今でも釈尊が悟りを開いて仏陀となった・成道会として祝う。禅宗の道場では、12月1日から12月8日までの横になって眠ることなく座禅に励む修行を臘鉢大接心をおこなう。
釈尊は悟りを開いた喜びにひたっていたが、その教えというものはとうて人々が理解できるものではなかった。釈尊自身も当初は説くことはなかった。
ところが、伝説によると、ある日梵天(プラフマー、古代いんどでは創造主とされた)が釈尊に向かって「あなたが悟った真理を衆生に説くように」と求めてきた。断っても断っても梵天はやってくる。
ついに釈尊はヴァーラーナシー(ガンジス川沿いにある都市)の鹿野苑で苦行を見守ってくれた5人の弟子を相手に法を説いた。 この説法を「初転法輪」という。この時説いた教えは、「四諦八正道」といわれる。
四諦というのは、「1、すべては苦である」「2、苦の原因は煩悩である」「3、苦を滅せれば理想の境地に至る」「4、苦を滅せるのは八正道である」という訓である。
八正道とは「正しく見る」「正しく思う」「正しく語る」「正しく振舞う」「正しく暮らす」「正しく努める」「正しく念ずる」「正しく精神統一する」の八つを実践することである。これこそが「中道」を歩む(偏った考えから離れる)ということだ、という教えである。ニルヴァーナにいたった後も、釈尊はディアーナを怠ることはなかった。
4月8日は釈尊がお生まれになった日である。当山でもそれを祝い供養する法要を営みます。